板読みを軸にした短期デイトレードを実践してきた中で、ルールの検証や失敗事例、そこから得られた知見を整理しました。
この記事では、これまでの反省と今後の改善点をまとめます。
Contents
これまでのトレードルール
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注文単位は 100株ごと、1銘柄あたり最大200株まで
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オーバーナイト禁止
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トレード対象銘柄
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価格帯:500〜3,000円(1円刻みで扱いやすい)
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出来高:10万〜100万株
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売買代金が急増している
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ask/bidスプレッドが開いている
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グロースまたはスタンダード市場
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買いのみ(ショート禁止)
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基本戦略
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買い指値を置き、約定後すぐにベストオファー付近で売り指値を出して利確を狙うマーケットメイク的トレード
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引け戦略
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引けが高くなりそうな雰囲気を感じたら、引け前に買ってクロージングオークションで成行売り
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主な負けパターン
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指数無視トレード
→ インデックスに連動した急落でロスカット -
スプレッド意識によるロスカット遅れ
→ 下値で売ることに抵抗を感じて想定ロスカットレベルで売れず、2段安を食らう -
引け売り失敗
→ 引け直前の売り殺到で損切りが遅れ、そのまま引け安 -
厚い板ブレイクでの損切り
→ 貫通された直後にロスカット -
レンジ下抜け誤認
→ 抜けてロスカット後に戻る(アルゴによる逆指値狩り) -
厚い板狙いの機会損失
→ 板上で反発して買えず、戻らないまま上昇 -
リスクリワード悪化
→ 想定損失幅が利確幅より広くなる傾向
良かった点
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急落狙いの指値は約定率こそ低いが、勝率は高い
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ロスカットへの抵抗が少ない
→ 条件を決めていれば、迷わず実行できる
新たに得られた知見と改善ポイント
① 厚い板は信頼すべき
単純に「厚い買い板の上に指値を置く」だけでも優位性がある。
喰われたらロスカット、喰われる前に売り抜けることを意識する。
特に スプレッドが開いた銘柄では利益を取りやすい。
手法例
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フル板を見て、下の厚い板の上に指値を置く
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引け前に厚い板を見つけ、そのすぐ上に指値→引け成で売る
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突然厚い買い板が出たら、すぐ追従して買い指値→板が消えたら即撤退(高値圏では避ける)
② ファーストリアクションのみ狙う
サポート・レジスタンスでの反発は「最初の反応(1回目)」が最も信頼できる。
2回目以降は貫通されるリスクが高い。
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「攻防の1回目だけ参加する」意識を持つ
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5分足では抜けて見えても、1分足では反応しているケースあり
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ファーストリアクションで利確できなければ撤退
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ファーストリアクションが機能しない場合は、ラインや考え方を見直す
厚い板・日足5日線との組み合わせが特に有効。ストップ安なども1回目は参加しても2回目以降はスルーすべき。
③ 【最重要】日足5日線・25日線の信頼度は高い
5日線・25日線は多くのトレーダーが意識しているため、反発や反転の根拠として機能しやすい。
基本の使い方
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5日線に近い位置で買う
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乖離している場合は早めに利確
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急落後の5日線/25日線タッチは好機(特にファーストリアクション)
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5日線を下回る場合は静観
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5日線より下ではトレードしない、5日線に到達しても上髭を形成するパターンが多い
- 5日線までの下落は常にありうると考えるべき
補足ポイント
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乖離が大きいほど急落リスク大(特売り注意)
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5日線を割れたらロスカット
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プライム銘柄では過剰反応が多く、やや機能しにくい
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決算・悪材料・指数暴落時は無効化されるが、指数に大きなリバウンドが入る場面では問題ない
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IPO銘柄も対象外
- 下から5日線を抜けるパターンでは、②ファーストリアクションとして1回は反発することもあるが、難しい状況なので触らないのが無難
最も期待値が高いパターンは、5日線/25日線より乖離している位置からMAまで落ちてくる場合。前日終値とMAとの乖離幅が大きいほどチャンスとなる。特に、じり下げではなく急降下でタッチしにくるパターンの方がリバウンドが期待できる。
基本的に5日線より下ではトレードしないが、25日線より乖離した位置から25日線まで落ちてきた場合は例外的に拾う価値がある。
応用戦略
急落によって日足MAからの下方向乖離が大きくなった場合、短期リバウンド狙いの逆張りも可能。
ただし、日中の5MAを利確目標に設定するのが有効。
④ 安定後は指値を分割して期待値を収束させる
100株トレードで安定してきたら、買い指値を分散配置してリスクを均等化。
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反発ポイント付近に複数の指値を配置
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板が薄い銘柄は広めに間隔を取る
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深い位置で約定した指値は自分の想定外に近いため、早めに利確
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ナンピンではなく「計画的な分散」を徹底する
強めの急落がくると思ったときは、想定値段より下にだけ指値を置くやり方も有効。
⑤ ラインの引き方は常識的でOK
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サポート・レジスタンスは素直に意識
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**買い目線では高値切り下げライン(ブルフラッグ)**が有効
銘柄選定と準備の流れ
上記の学びを反映して、銘柄選定ルールは下記のようになる。
基本的にボラティリティの高まりを重視する。ボラティリティがあれば出来高は自然についてくる。
板読みトレードの前日準備
・前日までトレードしていて感触がよかった銘柄
・100円~2000円台の銘柄(呼び値が1tickかつロットを増やしやすい)
・出来高10万~200万株で売買代金が急増している銘柄
・スプレッドが開いている銘柄
・グロース市場/スタンダード市場
・日足5日線より上にある
・直近のボラティリティが高い
・悪材料がない
板読みトレードの当日検索
・100円~2000円台の銘柄(呼び値が1tickかつロットを増やしやすい)
・SBIの売買代金急増ランキングを見る
・松井の上昇率下落率ランキングを見る(10分前比も活用)
・スプレッドが開いている銘柄を中心に扱うが、こだわりすぎない
・グロース市場/スタンダード市場
・日足5日線より上、あるいは近づいてきそうな銘柄
・直近のボラティリティが高い
・悪材料がない
・Xなどで話題になっている材料銘柄
当日の運用ルール
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発注株数はしばらく 100株に固定。安定後に200、300株へ増やす
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インデックスとの連動を意識して監視
- 厚い板には基本的に追従するが、出現時間などからフェイクである可能性を探る
- ロスカットはスピード重視:下値を叩いて即約定
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引けトレードでは厚い買い板の確認を徹底
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レンジ・サポートトレードはファーストリアクションのみ
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まずは勝率と回転重視。リスクリワードよりも①〜③の精度を優先
トレード環境と板配置
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チャート監視:日足・5分足に加えて1分足も常時表示
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松井証券の上昇率/下落率ランキングを常時表示
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マウスショートカットキーを設定して発注スピードを最大化
まとめ
今回のレビューを通じて明確になったのは、
「厚い板・ファーストリアクション・日足5日線」
この3つを最重要ポイントとして意識していきたいということ。
この基本原則を軸に、
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トレード対象の選定
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指値の置き方
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ロスカットの徹底
を再構築し、板読みデイトレードの再現性と安定性を向上させていきたいです。