本記事では、実際のトレード現場で有効だった「具体的なアイデア」を整理し、再現性を高めるための考え方をまとめました。
どの手法も一時的な流行ではなく、「板」「チャート」「参加者心理」という普遍的な原理をベースにしています。
Contents
基礎概念:すべての手法に共通する考え方
どのトレードアイデアにも通じる“土台”となる原則です。
これらを意識しておくだけで、勝率・リスクリワードともに改善が見込めます。
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厚い板は基本的に信用する
マーケットメイクではなく自然発生的な厚板であれば、心理的な支えとして機能することが多い。 -
ファーストリアクションを重視
1回目の反応がもっとも信頼度が高く、2回目以降は勢いが鈍る傾向。 -
5MA・25MAを意識する
5日線・25日線の近辺、または上側で上向きのときにトレードする。大きく乖離しているときもボラティリティ狙いのチャンス。 -
悪材料での逆張りは慎重に
悪決算や悪材料で下げている銘柄は、ストップ安を想定したうえで参加可否を判断する。 -
高位からの急落はリバウンド余地が大きい
下げ幅が大きいほど、反発も比例して大きくなりやすい。
連動銘柄のトレード
セクターやテーマで連動する銘柄群を活用する手法です。
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まず「けん引役(主導銘柄)」を特定し、それに連動しやすい銘柄を同時監視。
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連動銘柄がやや遅れて反応するタイムラグを狙う。
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過熱していない銘柄を選ぶことで、下値不安を軽減。
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出遅れ・手垢の少ない銘柄は特にチャンス。
材料によるオーバーキルでスキャルピング
好材料後の「行き過ぎた下落」を狙う戦略。
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好材料で急騰した直後、起点より下まで急落した場合は売買が交錯しやすく、短期スキャルの好機。
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下値目安は5日線や日足チャート、地合いを併用して判断。
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もともとレンジや底値圏にあった銘柄の方が下値不安が少なく、強気に出やすい。
ギャップアップスタート後の押し目スキャルピング
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材料でギャップアップした銘柄が、前日終値や5日線付近まで押してきた局面が狙い目。
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始値付近がサポートになりやすく、ファーストリアクションを狙って短期勝負。
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ボラティリティが高い局面では、細かく利確を重ねるほうが効率的。
過熱銘柄のナイアガラ拾い
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日足で過熱している銘柄が、悪材料なしで特売りされているときに注目。
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ストップ安まで板が厚いこと、一気に下げていることが条件。
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リバウンド一発狙いで、ストップ安到達時は即撤退。
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仕手・煽り系銘柄はリスクが高いため回避。
5分足ブルフラッグブレイクのスキャルピング
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5分足でブルフラッグ形成 → 明確な上抜けを確認。
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起点をサポートと見て押し目を拾う。
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日足でもサポートから大きく乖離していないことを確認する。
指数下げに連動した過剰下落銘柄のリバウンド狙い
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指数と同調して下げたものの、それ以上に過剰反応している銘柄を探す。
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5日線・乖離率・キリ番・日足サポートなど複数根拠が重なる位置が理想。
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個別の悪材料がないことを確認。
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ストップ安が近いときはUNDER数量を必ずチェック。
下げトレンド銘柄での逆張りスキャルピング
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個別に悪材料がなく、通常の相場環境であることを前提にする。
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平常時の値幅を把握し、それを大きく超える下落が発生したタイミングで拾い始める。
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サポート割れ狙いではなく、割れた後の急落で一発リバウンドを狙う。
ギャップダウン寄り気配で急落したPTSを拾う
夜間PTSでの異常値動きを利用するテクニックです。
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夜間PTSが高水準で推移していることが前提。
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東証寄り気配が大きくギャップダウンし、PTSが前日終値を下回ってパニック売りされていれば買い向かう。
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窓埋めや日足サポートに接近していればより有利。
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エグジット目安は東証寄りまたはPTSレンジ付近。
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悪材料による下げではないことを確認。
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前日ストップ高銘柄のPTSは毎朝確認しておくと好機を逃しにくい。
実務メモ:
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9:00前のPTS買いは現物のみ。寄らなければ9:00以降に信用で買える。
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信用で寄りを買う場合は「寄付」執行条件を設定。
やることがないときのスキャルピング
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出来高は少なくてもボラティリティがある銘柄を対象に。
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小銭拾いに徹し、追いかけすぎない。
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他にチャンス銘柄が出ればすぐ撤退。
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サポート割れなど動きが出た瞬間に集中して入る。
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指値は「厚い板の上」かつ「売れやすい位置」に置く。
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板が割れた場合の下方向ボラも取る意識で臨む。
超低位株の飛び込みスキャルピング
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超低位株が急落してスプレッドが開いた瞬間が狙い目。
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悪材料がなく、日足でサポートや5日線との乖離があることを確認。
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値幅は小さいが、リバウンドスピードが速く瞬間勝負向き。
決算失望の急落拾い
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PTSでの反応を重視。ストップ安付近の滞在時間が短い銘柄はリバウンド余地がある。
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日足でサポートを確認。
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フル板でストップ安近辺の板が厚い場合、貼りつきリスクは低い。
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ファーストリアクションをスキャルで取る。
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ストップ安到達を想定し、勢いが強まったらすぐ撤退。
まとめ:条件を重ねて再現性を高める
ここで紹介したアイデアは単体でも機能しますが、「複数の根拠を組み合わせる」ことが再現性向上の鍵です。
たとえば「指数下げ+日足サポート+5日線乖離」のように条件を3つ以上重ねると、ヒット率が飛躍的に上がります。
重要なのは、どのアイデアも“偶然のリバウンド”ではなく、**「参加者心理の裏をかく位置で仕掛ける」**という共通点を持つこと。環境が変わっても原理は変わりません。自分の得意パターンを見つけ、淡々と再現できる状態を目指します。